『フライング少女ハイ!』/帯ひろ志(本能猛)を読んでみよう。【レビュー/感想】

『フライング少女ハイ! 』(チューリップ・コミックス)。2014年に死去した 本能猛(帯ひろ志)先生の初期の作品。女の子が快活にタイトルコールをしているかのような楽しい表紙 ※この記事で引用している画像はすべて本書のものです



「『フライング少女ハイ!』のレビュー記事(感想)を書こう」

僕はある日そう思い立ち、こうしてキーボードをたたいています。

その理由はシンプルで、

「帯ひろ志先生の過去作」

だからです。

僕はかつて帯ひろ志先生が描いていた「がんばれゴエモン」の漫画が好きでした(ちなみに『やわらか忍法帖』も見てた)。そして、その作者が「本能猛」名義で描いていた過去作をゲットして読みたいと思い、この漫画を入手。

​いぜんにもいくつも帯先生の漫画の感想記事を書いたことがあるので、今回はこの「フライング少女ハイ」のレビューを書きます。

●目次(収録作一覧)

まずは目次です。

ズラーッとタイトルが並んでいます。そう、この漫画は「短編集」です。

前半はマッチ売りの少女をパロディにした漫画で、後半は(主人公が入れ替わって)独立した作品が続きます。

●レビュー/感想

魅力的な女の子たち

さて、本題です。

いざ中身を読んでみたらこの作品には2つの魅力があると感じました。

そのひとつ目が「魅力的な女性キャラ」。

1985年生まれの僕的にはどうしてもヤエちゃんを思い出してしまう女性キャラの面々…。

何となく面影があると思いませんか?

「あーー、なんか見覚えがある目だなー」とがんばれゴエモンを夢中で読んでいた小学生時代の記憶がよみがえります。この瞳の描き方…まぎれもなく帯先生の絵。

黒髪のキャラも登場。鼻の描き方なんかは時代を感じますね。2000年代や2010年代以降はもっと簡略化された鼻が主流ですが、80年代の漫画でよくある「鼻の影をもちゃんと描く」表現が取り入れられてます

↑本書の前半のほとんどを占める、マッチ売りの少女のパロ漫画の主人公。こちらも黒髪です。ちなみに結構とんでもない性格が浮き彫りになったりと、可愛いだけでない、ギャップのあるチャーミングなキャラです

…とここまではアップの顔を中心に紹介してきました。

どの絵にも共通しているのは帯先生っぽさ。というか本人が描いているのですから当たり前じゃないかという話なんですが、改めて特徴のある絵ですよね。

「これはゴエモンの作者が描いたやつだよ」

と説明されなくても一発で分かる気がします。もちろん、多少は違いますが…(ゴエモン時代のほうがもう少し瞳の描き方がシンプルになってる気がします)。

さて、ここからは全身画を見ていきたいと思います。

全身画

桃太郎のパロ漫画の主人公「ピーチちゃん。めちゃくちゃ可愛い女の子が鬼退治に行く羽目になるという愉快なストーリーの一コマ。そういえばヤエちゃんも、スキヤキ買ってくる羽目になった時にもじもじ照れてたな…。

ちなみに↑のページの右上に

そしてようやく長い前フリの後本編に入るのであった

という「メタギャグ」的な吹き出しが入ってますが、これは「ピーチちゃん」の登場に至るまでに意外とコマ数を割いていたためです。

ギャグシーン

さて帯先生といえば「ギャグ」です。

「ゴエモン」でも、シリアスな展開の合間に見せるギャグがほっと一息的安ど感を僕ら読者に与えてくれていました。今作でもそんな感じのシーンが垣間見えます。

上図(画像)のように、この漫画の編集者の「小池」さんがいきなり登場してしまうシーンがあったり、やりたい放題です。

※ちなみにこの小池さんはストーリーにもグイグイ食い込み、マッチ売り〜漫画のなかで主人公のようにふるまうことになったりとカオス展開もあります。

さらに帯先生はメタギャグがやはりお好きなようで(?)、こんなシーンもありました。

稲妻のエフェクトを思いっきりかけながらメタ発言

「自分たちの役割がなくなってしまったら消えてしまうのでは」という恐怖をキャラが吐露するなど、やはりここでもカオス展開が垣間見えます。

こういったストーリーの合間の息抜き的チャプターが、隠し味のように効いてくるのが帯先生の漫画の面白い所かなーと思います。

□おわりに

さてさて、レビューはこれにて終了です。

本書の巻末には何故か狼男(?)に変身した帯先生(本能先生)が、サイン色紙をプレゼントするという企画コーナーがありました。もちろん遠い昔に行われた企画なので現在は応募できませんが……欲しかったですね。

『あなたが尊敬する漫画家は?』

『あなたが無報酬でアシスタントをしたい漫画家は?』

など様々な設問がありますが、クイズのヒントのところに、

『答えの漫画家はすべて同じ名前が入ります。』

と書いてあったのを見てフフッとなりました。

最後の最後までサービス精神を忘れない、帯先生の漫画『フライング少女ハイ!』でした。

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