ラブコメ話が豊富な「地獄先生ぬ～べ～」の文庫版4巻を読む。【感想/レビュー】

急に「ぬ～ベ～」のラブコメ話が読みたくなりました。

どうしてかと言うと最近「電撃ピカチュウ」(※)を読み返したからです。

(※)→サトシとカスミのラブコメを懐かしむため、読む。～電撃ピカチュウ2巻(小野敏洋/おのとしひろ)【感想/レビュー】

「そういやぬ～ベ～にもラブコメ話が豊富な巻があったっけ…」

そう思い返し、この文庫版の4巻を買ってきた次第です。ということで早速レビューがてら読み返したいと思います。

感想&レビュー

美青年ぬ～べ～×広×郷子の三角関係

このエピソード好きですねー。

ぬ～ベ～と広と郷子の三角関係が見れるというのはレアですよ。と言ってもぬ～ベ～は郷子に恋愛感情があるわけじゃないんですけどね。

数日前、カナヅチの郷子は広にからかわれる。そんな郷子を不憫に思い泳ぎを教えているぬ～ベ～。その個人レッスンを目撃してしまった広は

「変なお化けに郷子がかどわかされている！」

的な正義感からぬ～ベ～に食って掛かる。

そんなトライアングルが巻き起こるという至福のひとときです。

ちなみに文庫版ぬ～ベ～では、オマケページに当時の制作秘話が掲載されているのですが、この回はアンケートも人気が良かったらしいです。

わかります。
良いです。

この回とても良いです。

前述したラブコメ話と同時進行でもう一つ縦軸が動いているのにすっきりと話が終わっている。この辺の構成力的なものも感じることができます。

などと感心したりもしていますが結局ラブコメ的な感じが好きなのでこの回がただ好きです。

美樹×広×郷子のトライアングル

さて今巻は他にも三角関係エピソードがあります。広・郷子・美樹のトライアングルです。

ご存知の通り広と郷子はぬ～ベ～クラスが誇るベストカップルです。その二人の間に誰かが割って入ることは到底不可能だと思われていました。

しかし。

色々あって美樹がそこに入り込んでしまいます。もちろん美樹も本気で広のことを狙っていたわけではありません。美樹自身も広と郷子が激ラブカップルであるということは当然分かっています。その上で冗談半分に広にモーションかける、という感じです。

しかし毎度の事ながらオカルトチックな現象が起きた結果美樹は広にガチ惚れしてしまいます。

そして都合の悪いことに郷子はそれを垣間見てしまう。

泣きながら走り去る郷子。それを見つめる読者。

「これは一体何の漫画なんだ？俺たちは当時どんな気持ちでこの漫画を読んでたんだっけ？」

そんな狂おしい気持ちを呼び起こす素晴らしいラブコメ回です。

個人的に僕はこの回のオチが好きです。
いやオチと言うか普段だったらギャグっぽくオトすこの漫画なんですが、この回に関してはちょっと切ないオチが付くんです。

そのオチがつくことによって美樹というキャラクターに深みが増していくのです。お前単純にいたずら好きなめんどくさい女じゃないのかよ！？…ピュアガールじゃねえか！

そんな気持ちにさせてくれるオチ。それが待ち受けるこの回が好きです。

美中年ぬ～べ～とゆきめ

もうトライアングルには飽きた！

不意に訪れるそんな虚無感に鉄槌を下してくれるのはこのエピソード。ぬ～ベ～がゆきめを助ける回です。

色々あってゆきめは一旦ぬ～ベ～に幻滅してしまうのですが、結局ぬ～ベ～のかっこいい所作を目撃しまた惚れ込んでしまう。「密・リターンズ」や 」”>「I”S<アイズ> 」も白目を剥くほどのド直球ラブコメ回！それがこれです。

「一体リツコ先生とはなんだったんだ？」
　
そんな僕の疑問もどこ吹く風、彼らはお互いに熱視線を向ける。「がんばれゴエモン」のヤエちゃんがおみっちゃんを差し置いて正ヒロインになっていったように、「地獄先生ぬーべー」ではゆきめがリツコを飲み込んだ。

ヒロインたちのアナコンダ合戦…。それを制した者には主人公とのハッピー展開が約束される。

「人生とは弱肉強食」

そんな大事なことを少年漫画は教えてくれます。

実は感動回も…(広の母登場)

さてラブコメのことばっかり話してきましたが今巻の魅力はまだあります。感動回です。

父子家庭で育った広が亡くなったはずの母親と再会する話です。この話は最初めちゃくちゃギャグっぽく始まります。なのでいつも通りのコメディタッチな感じだねってぐらいの感慨しか最初は湧かないはず。

しかしいざページをめくり続けると上図のようなすばらしきシーンが…。何度も言いますがここに至るまでの流れが素晴らしいんです。まさかこんなシリアスな話に化けるとは。

子供の頃にも一度読んで感動した記憶があるのですが内容は深く覚えていませんでした。しかし最近今巻を買いなおして読んでみたらこの回がすごく良かった。

ラブコメ話もあり感動回も充実。総じてこの巻がやっぱり好きです。

おわりに～描き下ろし漫画～

さてぬ～ベ～文庫版4巻の感想もこれでおしまいです。それではさようなら、といきたいところですが最後にひとつだけ。

上の画像を見てわかる通り実は今巻では書き下ろしのストーリーがあります。

ある意味ぬ～ベ～のエピソード0とも言えるような話で、不登校の女の子をめぐるお話が展開されてます。

書き下ろしといえどそこまでのページ数はないだろうと甘く見ていたらがっつり表紙を含め19ページありました。

興味のある方は是非お読みください。

ということで今度こそお別れです。さようなら。

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