ポケモン風ゲームの特集本。『「ポケットモンスター」とゲームボーイRPG』を読む。【感想&レビュー/マイウェイムック】

「もう新緑の季節か?」と冬眠中の熊が目を覚ましてもおかしくないほどの鮮やかな黄緑色。『「ポケットモンスター」とゲームボーイRPG』(マイウェイ出版)です



ポケモン系のゲームが一覧になってるような本とかないだろうか?」

そんな密やかな欲望を抱えながら日々を過ごしていました。

しかしなぜかわからないんですがそういう本が一切発売されない。
需要がないからだろうか。
諦めかけたその時書店でこの本の表紙を見つけました。

「今更こんな本出してくれんの?」

驚きました。
ゲームボーイ時代に発売されたポケモン系のゲームを一覧にした本です。

何度も言いますがゲームボーイ時代です。最新のゲーム機でではありません。

(よくもまあこんな思い切ったニッチな本を出してくれたなあ)
と深い感謝を捧げつつパラパラと立ち読みしてみると思い通りの内容でした。

その場では一旦買うのをやめようと思い止まったのですが結局数日後に購入してしまいました。

そんなわけで、初代ポケモン世代でもありゲームボーイ世代でもある僕がこの本をただ懐かしみつつレビューしたいと思います。

※このページで引用している画像はすべて同書のものです。)

レビュー&感想

目次的な物

さて本書の裏には目次的な物が書かれています。ただこれだとわかりづらいので、拡大すると以下のようになります。↓

●「ポケットモンスター」とコレクションRPG

ポケットモンスター
女神転生外伝ラストバイブル
(ある意味ポケモンよりさらに元祖)
真・女神転生デビルチルドレン
(主人公たちが子供になり、モンスターのかわいらしさもアップ。)
ディノブリーダー
(恐竜。)
ドラゴンクエストモンスターズテリーのワンダーランド
(ポケモンと双璧をなす時代の寵児。)
メダロット
(隠れファンが多かったと思われるロボットゲー。)
もんすたあ☆レース
(モンスターを育ててレースに参加させる。)
超魔神英雄伝ワタルまぜっこモンスター
(ほぼ育てゲー)…

などなどのゲームについて掲載されている本です。もちろんこれらがすべてではなく、それ以外にもたくさんの「ポケモンっぽくない?このゲーム」的なものが載っています。

ということでまずはこのブームを作った張本人的なゲームのレビュー部分を読んでみましょう。
もちろんあのゲームです。

ポケットモンスター赤・緑(1996年)

さて、いきなりモザイクだらけでごめんなさい。けっしてあられもないポケモンの肢体が掲載されているわけではありません。モザイクがかかっているレビュー部分は本書の「肝」なので、載せることができないのです。

ただ、大体のことがわかると思います。

「ああ、こんな風に画像と文章が入り混じった本なのね」と。

さて本文を読むと…

ポケモンと技の「相性」と言った対戦ルールはよくできていて、ポケモン対戦に高い競技性があった点も見逃せない。

と書いてありますがこれはもう大納得でこの点がかなりしびれた部分でもあります。

もちろんモンスターを集めるというのが最も痺れた部分ではありますが、そのモンスター同士を戦わせる際にどのモンスターをぶつければ相手に「ばつぐん」の効果を与えられるか

それを考えるのも最高でした。

最初にフシギダネを選んだ僕はタケシが駆使するイワークをしばきあげる事に大成功したわけですがヒトカゲを選んだ人間は苦悩したりしたんでしょうね。

モン★スタートラベラー(2002年)

さてポケモンに関してはいろいろと思い出がたぎってきましたがこちらのゲームに関しては全く記憶にありません。

モン★スタートラベラーというらしいです。

2002年発売と書いているのでゲームボーイの最後期に出たゲームらしいです。

貯めたお金を使ってトレーニングを繰り返すことで『コズモン』を成長させていく。

ということなのでポケモンとは全然違う成長システムであることわかります。

こういったコアなゲームも知ることができるのが本書の醍醐味なんだなあと虚空を見つめながら感じています。

アルルの冒険 まほうのジュエル(2000年)

こちらはレアなゲームです。

僕自身も全く未プレイで、その存在すらつい最近知ったモノです。

ぷよぷよに出てくるヒロインこと「アルル」が魔法のジュエルとかなんとかいうものを使ってモンスターとなんちゃらかんちゃらするものらしいです。

アルルも戦闘に参加する点が他作との差別化ポイントだ。

と書いているのでポケモンの主人公やドラクエモンスターズのテリーのようにただモンスターに命令をするだけじゃなく自分自身も自らの体を使ってボディプレスをしたりするのでしょう。

ボディプレスのゲームなのかもしれません。

もちろんそんなわけないので早々に話を切り替えて次に行きましょう。

がんばれゴエモン もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!(1999年)

はい、ゴエモンです。

「ここにきてなぜゴエモンのゲームが紹介されるんだ?」


と思った方がほとんどだと思いますが実はこれ純然たるコレクションRPGです。

ふういんコマンドを使うことで仲間になる。
これを『融合』することで特技が増え、強い妖怪ができあがる。

と書いているようにポケモンとドラクエモンスターズを足して2で割ったようなゲームなんじゃないかと考えています。

ちなみに僕はこれを最近入手しました。
まあまあな値段しました。
まだほとんど未プレイですが今からやるのが楽しみです。

ゴエモンのRPGといえば「消えた黄金キセル」「天下の財宝」が有名ですが、それに匹敵するぐらい面白ければいいななどと夢想しています。

さてそんな妄想に浸る僕のことはどうでもいいとして次はちょっと話題が変わります。

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ここからガラッと変わって…

ここまでは「ポケモン系のコレクションRPG」の話でした。

ただ、本書にはデジタルカードゲームについての話題もあります。

ゲームボーイではたくさんのカードゲームも発売されましたが、それらについての特集記事の中で特に気になったページについて感想を書きます。

カードゲーム① 遊戯王

まずはこちら。

最初にこのカードゲームに触れないわけにはいきません。

世の少年少女たちの心に「妥協」という二文字を焼き印してくれたこのゲーム。


「きっとこれがゲームボーイで表現できるカードゲームの限界なんだろう」
そんな気持ちにさせてくれた歴史的なゲームです。

やはり開発陣も苦慮したのでしょう。
初代ゲームボーイのスペックで高いゲーム性を構築するのはめちゃくちゃ難題だったんだろうと思います。

ただカードのグラフィックは今見ても綺麗です。
モノクロでよくぞここまで表現したあっぱれじゃと両手を上げて祝福したいほど繊細に描画されています。

そんなジャパニーズデジタルカードゲームの始祖が見開きで紹介されています。

カードゲーム② モンスターファームバトルカードGB

懐かしい。

このゲームは結構好きでした。
確か新品では買わずゲオかどこかで中古&格安で手に入れたと思います。

まあ安かったしいっかとか思いながらプレイしてみたら案外面白くてクリアまで結構楽しめました。

紹介文にも書いていますが、いらないカードを捨てて「ガッツ」とかいうパワー的なものを貯めて大技を繰り出すのが楽しかったです。

ちなみにこのページには掲載されていませんが岩みたいな体をした巨大なモンスターが大抵大技をくり出してくれました。

それと当時のカードゲームとしては珍しくダンジョン内をうろうろしながら他のカードプレイヤーと対戦するシステムだったのでそれも面白かったです。

カードゲーム③ カードヒーロー

このゲームは…。

先に触れたモンスターファームのやつ以上に懐かしく感じます。このゲームはもうむちゃくちゃやり込みました。というかゲームボーイで発売された全てのカードゲームの中で最も面白いんじゃないかと思います。

これと「ポケモンカードGB」が双璧なんじゃないかなと思っています。よくゲームボーイカラーの時代にこんな面白いカードゲームを表現できたなと心底感心します。

できれば2ページぶん紹介して欲しかった。

でもそこまで大ヒットとかしたわけじゃないので1ページっていうのは妥当なんでしょうね。

おわりに

さて最後は「ドラクエモンスターズ2」の紹介記事でも眺めながらお別れしましょう。唯一「ポケモン」に負けなかった、ためで張り合ったクオリティの「ポケモン系ゲーム」だった気がします。

当然僕も持っていましたし、今でもたまにやりたくなるゲームです。ちなみにこの画像は「2」ですが、もちろん「1」の紹介記事もあり、そちらは2ページが割かれていました。

ぜひ本書が気になった人間はその2本の足を使って書店へと急いでみてください。

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