「幻想水滸伝Ⅲの漫画版/志水アキ(著)」を読む。
噂には聞いてたんですよ。
なんか幻想水滸伝3の漫画版があるって。しかもその漫画版のクオリティが結構高いって。その噂は轟いてたんですがとうとう入手しました。(なぜか2巻)
僕は幻想水滸伝の過去5作の中で一番3が好きなので漫画版を読むのが楽しみです。
早速読んでいきます。
感想&レビュー
トーマスとクリス
まず最初にピックアップしたのはこのページです。
読みながらうまく描けてるなぁと感心しました。ゲームの時のイメージとさほど変わらないトーマスとセシルです。単純にビジュアルもゲーム版と結構近いっていうのもあるんですが、このトーマスのなんとなくオドオドした感じ、そしてセシルのこの慌ただしい感じ。これが漫画でものすごくよく表せてるなあと感じました。
それと今見て気づいたんですがセシルの服って結構変わってますね。
スカートが見えるので普通の服の上に無理やり甲冑を上から着込んだのかな?という感じがします。(実際そうかもしれない)
ゲームをやってる時は普通に面白いな、楽しいなとしか思っていませんでしたが、改めて漫画で見るとキャラデザにも着目してしまいますね。
などと悠長なことを考えながら読んでいましたがこの後は凄絶なシーンが幕を開けます。
迫力の戦闘シーン
この漫画を読んでて思ったのは「戦闘シーンがすごくいい!」ってことです。
表紙のようなピタッと決めポーズをとった絵もうまいんですけど動きのある絵がまたすごくうまい。元となったゲームがRPGなのでそこに期待してしまいますが期待に思いっきり応えてくれます。
あとこの戦闘中の周りのリアクション。
こういうのも地味に好きなんですよね-。うまく言えないんですが少年漫画的と言うか…。幽遊白書やドラゴンボールとかでも周りの観客のリアクションで大変なことが起きてるんだっていうことがはっきりわかる。そういうシリアスな感じ、ワクワクする感じが好きなんです。
なのでこういう戦闘シーンは興奮してしまいますね。
「ハーメルン~」のサイザーを思い出す
さてもうひとつ別の戦闘シーンをピックアップしました。
こちらはさっきのヒューゴとの戦いとは違ってクリスの内面により焦点が当たっているシーンです。
私の手は……
今まで殺してきた者の血で真っ赤だ
クリスがそう悩むこのシーンは不思議な既視感がありました。今この記事を書きながら
「あれだ!」
と思い出したのは「ハーメルンのバイオリン弾き」という漫画です。その漫画の中でサイザーというキャラが同じような悩みを抱えていました。
様々な理由があって異国の民の命を奪ってしまった。どんな理由があるにせよそれは許されることなのだろうか。
そんな思いを抱えるサイザー、そしてクリス。
その二人が僕の中で勝手につながってしまったんですね。
こういうキャラクターがいくつかの漫画でえがかれるのは人間の普遍的なテーマだからなんじゃないだろうか。などと柄にもなく真面目な事を考えてしまいます。
こういうシリアスな話を読みやすく構成できる作家さんは本当に素晴らしいなと感じます。
おわりに
さてこれにて感想はおしまいです。
この志水アキさんが描いた「幻想水滸伝3 運命の継承者」は、「ゲーム版をやったことがある人は絶対読んだ方がいい!絶対後悔しないから」みたいな書き込みをネットで見たことがあって入手しました。
実際そうやって勧めたくなるのも分かります。これはゲーム版をやったことがある人ほど見事なコミカライズだと感心すると思います。
(※と言いつつまだ全巻読んだことがあるわけではなく飛び飛びで読んでるだけなのですが…。)
何度も言うようにキャラクターがゲーム版のイメージ通りな気がします。僕が忘れてるだけで実は微妙な違いがあったりするのかもしれませんが少なくとも僕はほとんど違和感を感じませんでした。
まるでこの志水アキさん自身がゲームのイラストの原作者なんじゃないかと錯覚してしまうほどです。
なので読んで良かったなと素直に思える作品でした。
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