ダビスタの裏話が聞きたくて「ゲームの企画書」という本を読んだ【レビュー/感想】

「ゲームの企画書②~小説にも映画にも不可能な体験~」(角川新書) 電ファミニコゲーマー編集部 (著) ※このページで引用している画像・文章はすべて本書のものです

ダービースタリオン。

中学生のころ、馬のことも一切わからずハマったゲーム…。

この懐かしゲームの裏話が収録された本をゲットしました。ダビスタの生みの親・薗部博之さんという方がさまざまな質問に答えるという本です。

それがこの、「ゲームの企画書②~小説にも映画にも不可能な体験~」。

今回はこの本の中のインタビューの中で個人的に気になった一部を引用しつつ感想を書きたいと思います。



レースがスキップできない理由

ダビスタではレースがスキップできません。

その理由について触れられていた箇所がありました。(以下、引用)↓

―――つまり、「ダビスタ」で勝負が決まるタイミングというのは、本当に走りきった瞬間なのですね。確かに、「ダビスタ』はレースをスキップできないですよね。

薗部  リアルタイムで走らせてわかるプログラムなので、最初に予測はできません。録画モードも、初期状態の値を覚えておいて、それをもう一度走らせているだけですから。

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…とここまでが引用なのですが、この事実にはちょっとびっくりしましたね。

単純に昔の、特に初代プレステあたりのゲームって「スキップできないのが当たり前」でしたから。レースゲームだけでなくffみたいなRPGのムービーでさえスキップが不可能なあの時代、「スキップしない」ことに意味があるなんて思いもしませんでした。

ということは…。

ガチであのレース中の馬たちは走ってたんだ。
毎回毎回ガチで順位を決めるため、ガチンコで走ってたんだ。てっきり何パターン(30~40パターンとか)かある中から一つを選んで、ムービーみたく再生してるんだと思ってました。

でも今冷静に考えるとその場合、たった30パターンくらいのムービーを使いまわしたところで対応できないよなあ…。もっともっとあらゆるパターンのものが流れていた気がするし…。

そう考えるとなかなか興味深い話でした。

さて続いては、意外なあの懐かしのゲームとダビスタとの関連性についての話です。

実況は「キャプテン翼」からインスパイア

園部  ~(前略)~実況の言葉というのはとても大事な要素だと思いますね。当時はファミコンで発売されていた「キャプテン翼」の実況の入れ方なんかも参考にしました。



ーーーーーー

さて再び園部さんのインタビューから引用↑しましたが…。

いやいや懐かしいタイトルですね!これ夢中でやってたなあ。ファミコンの「キャプテン翼」。

必殺シュートとかの演出がいちいち丁寧でかっこよかったのを覚えてます。ボールがかっとぶ際の効果音も抜群で名作でした。


あの「キャプ翼」の実況からダビスタの実況につながるとは…。

なんか眼鏡をかけたアナウンサーが鎮座していたのを記憶してますが、彼の実況がダビスタへと生かされたんですね。(といっても別会社の別のゲームに、ですが)

ダビスタをやってた時は、まさかあの実況の源流がキャプテン翼だとは思いもしませんでした。

どちらも好きなゲームだったのでこの二つがつながるのはなぜかうれしい。

パラメータ

さて、ダビスタには馬にパラメータがあります。そのパラメータの正体について語っていたので、そこも引用しつつ感想を。↓



薗部  (前略)だいたい、今に至るまでレースシーンのアルゴリズムは最初に作ったものとほとんど変わってないんです。パラメーターも基本的には増やしていません。(後略)

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さてまたしても引用しましたが…

「レースシーンのアルゴリズムは最初に作ったものとほとんど変わってない」っていうのはびっくりです。僕は1985年生まれなのでぎりぎりファミコン世代なんです。あの時代からゲームの進化をこの目で見てきましたが…。

凄すぎませんか?

現代でも通用するシステムをファミコン時代にもう完成させてるって。

ポケモン赤緑とかもそうですけど、オーパーツレベルじゃないのこれ?とシロウトながら思ってしまいます。

(※ちなみにこのインタビューの聞き手である数人のうち二人は初代ポケモンの開発チームの人たちです。田谷正夫さん、森本茂樹さん(共にゲームフリーク)。)

そう考えるとよく数十年後にも通用するモノを創れたなあと感心します。



おわりに

さて、「ゲームの企画書②~小説にも映画にも不可能な体験~」の感想はこれで終わりです。


ただあくまでも、冒頭で描いた通りこの本の一部、ほんとにごくごく一部だけを引用し感想を書いたのみなので、実際はもっとインタビューページがあります。

「ダビスタのパラメータのこと」とか、「そもそもどういう経緯でダビスタを作る用になったか」とか、なかなか盛りだくさんな内容でした。

それと「バーチャファイター」の制作に携わった方へのインタビューページなんかもあったりするので、総じてこのブログを普段読んでくれている世代の人にもなかなか刺さる内容だと思います。

そんなわけで、以上です。

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