女の子を描く時に意識していることについて/矢吹健太朗先生のインタビューの感想
20代のはじめ、「ToLoveる」という漫画が大ヒットしました。
その漫画に出てくる女の子はとにかくかわいくて、「アイズ」の桂正和先生やボンボン坂」の高橋ゆたか先生並みの天才さを感じました。
「こんなに女の子をかわいく描ける人間の脳内はどうなってるんだ?」
そんな疑問を持つ僕がある本に出合いました。
それが「漫画脳の鍛えかた」。
今回はこの本に載っている、矢吹健太朗先生のインタビューについての感想を書きたいと思います。
感想
女の子を描く時のこだわり
さて矢吹先生にはこのような、女の子を描く上でのこだわりがありました。(以下、引用文は矢吹先生談)(着色は筆者<管理人>)
「体の中で肉がついている部分は、触ったらへこむんです。だからやわらかさを強調するような場面では、触られてへこんでいる部分とは対照的な、硬そうな部分を画面に入れ込むんです。触ってる手の方を硬めに描く、とかでもいいですよ」
なるほど。めちゃくちゃ実用的なアドバイスです。
女の子(の一部分)を柔らかそうに見せるときは、そのコマの中であえて(対極の)硬度の高い物体を描くという…。
一瞬レベルの高すぎる神の発言に意味が分かりませんでした。しかしこう考えればすぐにわかりました。
「スライムの横にメタルスライムがいたら、めっちゃスライムが柔らかそうに見える」
おそらく矢吹神様はそういうことをおっしゃりたいのでしょう。
単体でスライムが出てきても、意外とスライムは柔らかそうに見えません。しかしその横にガチガチに硬いスライムがいたら、対比でめちゃくちゃスライムがぷよぷよしてる感じがする。
人間の脳の認知機能を利用した、論理的なテクニック…。
昇天しそうです。
着衣アイテムでさらに工夫
さて矢吹先生のテクはさらにとどまることを知りません。下記のように、着衣アイテムを使ってより増し増しにとおっしゃっているのです。
「ララのようにスタイルがいいキャラには、なるべく腰のくびれが目立つような服を着せます。それとヤミは脚にベルトをしているんですが、それは太もものやわらかさを通常の状態でも見せられるようなアイテムとして加えたものなんですよ」
この発言に対する根拠として、下記の画像が本書内で引用されています。↓
確かに太ももにガッツリベルトが食い込んでいます。
「この太ももは柔らかいんだぞ」という事実を通達するための神からの啓示。我々は奇跡を目の当たりにしているのでしょうか?
ちなみに太ももに対する熱き情熱は最新作「あやかしトライアングル」でも提示されています。
例えばこのコマでは肉感を表現するためにあえて手や指で押し込んでいるように見えます。↓
さっきのたとえで言うならこの「手」がメタルスライムで「太もも」がノーマルスライムといったところでしょうか。
自分で説明していて「なんだこの例え?」となってきましたが、やはり「対比」によって太ももの弾力性が爆発しているのは間違いないと思います。
ちなみに登場人物が不穏な発言をしていますが、大丈夫。
基本的にこういう言葉が普通に飛び交う作品です。
通常営業です。
…さて、ということで最後はまとめに参ります。
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おわりに
ということで矢吹先生のインタビューについての感想を書いてきましたが、これでそれもおしまいです。
ちなみに本インタビューの中でほかに面白いなと思ったのは、「かわいく見せるためにここぞっていうシーンで女の子キャラの瞳の描き方を変える」みたいなテクでした。
これもまた話すと長くなりそうなので、興味がある方は本書を本屋さんなどで探してみてください。