ヴァンパイア娘・シーマを久しぶりに見てみたくてジャングルの王者ターちゃん4巻を買った。【感想/レビュー】

「新・ジャングルの王者ターちゃん 4巻」(作・徳弘正也/集英社文庫)ライオンにチョークスリーパー…じゃない、よしよししてるターちゃんが微笑えましい。

あーシーマが見たい。

突然そんな衝動に駆られました。
シーマとは何者なのかと言うと、ざっくり言えば「新・ジャングルの王者ターちゃん」に出てきたヴァンパイアです。

子供ながらに何て魅惑的なクリーチャーなんだろうと驚嘆(きょうたん)したのを覚えています。

そのシーマが登場する「ターちゃん」(4)を入手したので、早速読んでみたいと思います。


※このページで紹介している画像はすべて本書からの引用です

新ジャングルの王者 ターちゃん 4 (集英社文庫(コミック版))

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感想&レビュー

登場時は「謎のイケメン」

↑満月を背に登場したシーマ

シーマの登場シーンです。

というかぶっちゃけ言うとこのページよりもうちょっと前に既に登場しているんですが、このシーンの方がいかにも登場シーンぽい感じがしているのでそんな風に紹介してしまいました。

すいません。

ちなみにこのシーンではまだシーマは正体を隠しています。

「正体を隠してる?黒いマント羽織ってるだけだしヴァンパイアだってバラしてるじゃん。正体隠してなくね?

そう思ったあなたは続いてのシーンを見て驚嘆してください。

王道の「お前女だったのか」展開

↑梁師範に敗北し胸ぐらを掴まれるシーマ。※一部(5コマ目)修正しています

色々あって胸ぐらを掴まれるシーマです。

ターちゃんの仲間キャラでもある梁師範にめちゃくちゃブチギレられています。その流れでうっかり「正体」がバレてしまいました。

そうです。シーマはだったのです。

昔の漫画ではやたらこういう展開がありましたよね。

「お・お前女だったとは…」

みたいな。

あまりにもベタ過ぎたのか昨今トンと見なくなりましたが、このシーンがあると「90年代…。」という感慨を感じます。むしろその感慨がない人は未来に行き過ぎています。あなたは80年代生まれではありませんね、そうでしょう。

ともあれ、そんなお約束展開の先で僕たちは本来のシーマと出会うことができたのです。

ここからシーマ劇場の開幕です。

例のシーンの幕開け

↑自分の血を吸えと請願(せいがん)するシーマ

またさらに色々あって梁師範はシーマの血を吸わなきゃいけなくなっちゃいます。

そうしないと梁師範は老化してしまうのです。


正直全ての読者が思ったことでしょう。

「そんなことよりお前魅力的過ぎるだろ」

と。

物語の展開なんか一旦脇に置いておいてお前の魅力について一生語らせてくれ―――紙面上のシーマに全読者がそう叫んだだろうと思います。


当時小学生だった僕はなんだか訳のわからない心のモヤモヤを感じました。

「これはとんでもないものを見た気がする…」

僕はこのコミックスを開いては閉じ、開いては閉じして、…結局めちゃくちゃガン見しました。

「このコミックスは一生の宝物だ」
僕は数十年前、すでにONE PIECEを見つけてしまっていたのです。

※ちなみに当時購入したのは今回紹介する文庫版ではなくジャンプコミックス版でした。

恍惚のシーマ

↑結局血を吸ってしまう梁師範。
となにやら不穏なヴァンパイア。
(※下画像1~2コマ目、一部修正しています)

「俺はもう化け物だ」

そう言いながら梁師範が血を吸い始めました。そうするとシーマは何故か恍惚を感じ始めています。

…おいおい大将。
こんな展開初めて見たぜ。

僕は飛び跳ねるような興奮と突き上げるような衝動に駆られながらこのページを見ました。「明日学校でこの話を友達に話すしかないな」そう思いながら何度も何度もこのページを見たものです。

そんな遠い小学生時代を思い出しつつ、時を越えてこのページを眺めているとふと思います。

「意外と大したことなかったな」

と。

大人になって改めて読み返してみると、まあ少年誌の範囲での描写だし別にそんなキワどくもなんともなかったな…。

そんな風に思いながら、今僕は時を超えてシーマをめちゃくちゃガン見しています。

※ちなみに血の表現はやたらリアルであんま好きじゃなかったので、当時はそこを手で隠して読んでた記憶があります

読者へのメッセージ?

↑梁師範に贖罪を乞う吸血鬼

さてシーマの魅力を改めて拝んできた今回の記事ですが…

そろそろお別れです。

最後はこのコマを眺めながら、シーマ劇場の幕を引きたいと思います。

ごめんなさい私のせいであなたの人生を狂わせてしまった


今思えばこれは未来の僕に対するメッセージだったんじゃないか。

そんなシーマのセリフを黙読しつつ、今日はこの辺で。