「OH!MYコンブ」を懐かしみながら読む。【感想/レビュー】

「OH!MYコンブ」(まんが  かみやたかひろ/企画・監修  秋元康)(講談社/コミックボンボン)※このページで引用している画像はすべて本書のものです。


コンブ…。

今考えたらキラキラネームに違いない、その名前をたずさえたちびっこ料理人。

彼の生きざまを描いた漫画、「OH!MYコンブ」を入手したので、懐かしみながらレビューしたいと思います。


【レビュー】

●茶魔語…?

↑朝一番、父に「食」を懇願するわれらがカリスマ料理人

うおおえっ…!?

こ、こんなキャラだっけ…?おぼっちゃまくん(小林よしのり)風のギャグを発揮して登場…。

「おっはよーかん」…。このギャグセンスが当時ビッグヒットにつながったかはわかりませんが、その言葉を発しながら1コマ目で快活に笑う主人公を眺めるとなぜかこっちも元気をもらえます。

それと2コマ目で「ききーっ」とブレーキをかけて止まる感じが懐かしいですね。これはアニメから来た演出でしょうか?こういう表現昔は結構ありましたが、もし今やるとベタ過ぎて違和感があるかもしれません。

そんな懐かしい演出を堪能しつつ、さらにページをめくると…。

●お友達

↑(上)アロハシャツの良く似合う男「パイ助」、(下)中華風ガール「メンメン」

「OH!MYコンブ」といえば、個性的なサブキャラも印象に残ってますよね。

急に同意を求めますけども。

中でもこの、頭部からパイナップル風の毛髪が生えている悲劇の少年パイ助は、涙なくしては語れません(※上画像)。

ハンカチで目元をぬぐいながら彼の生涯に思いをはせつつ、3次元の壁を越え彼を慰めてあげたいですが、しかしその心配はいりません。なんかめっちゃ楽しく生きてそうですから。

それに多分この髪型が嫌になったらバッサリ刈り落とすことも可能だと思いますし、何も心配はいりません。アロハも似合ってるし、彼の未来は明るいはずです。


ということでもう一人のサブキャラも紹介しましょう。

メンメンです。(※下画像)

ぶっちゃけて言うと今の今まで名前を忘れていましたが、彼女の名はメンメンというそうです。

ヒロインにふさわしくとてもかわいいのですが、特に気になったのは表情です。

以前「がってん太助」「電撃ピカチュウ」「がんばれゴエモン」などのレビューをしたときにも思ったのですが、児童漫画を描いてる先生方はマジで表情を書くのがお上手!

喜怒哀楽の表現がバッチリ出来過ぎていて、さすがプロだと思います。特に子供は表情の変化が激しいので、その子供をターゲットにした「ボンボン」や「コロコロ」の作家さんはその辺の技術に長けているんですね(たぶん)。

さて、ところで。

なぜ彼女は泣いているのでしょうか。

彼女が涙ぐんでいるのは、自分の店が悪いやつにぶんどられてしまうという危険な事態に遭遇しているからです。決してこの涙は、パイ助の毛髪を想って流した涙ではありません。

パイ助に心配は無用です。彼の未来は明るいんです。

●うまいorまずいを判定するときは…

↑コンブの作った料理を食べて跳躍するパイ助

ジャンピングパイ助。

ジャンピングパイ助のおでましです。

なぜ彼がおいでなすったかと言うと、彼はコンブの料理を食べたのです。美味な料理を口にすると、彼は奇怪なワードとともに天空へと跳躍してしまうようです。

ていうかパイ助のサングラスって顔面に直接貼りつけてない?

と思いますがそんなことが気にならないほど彼の跳躍力に心奪われることでしょう。ところで彼が自分の両ほほを両手で抑えているのには何か意味があるんでしょうか、と書こうとして気づきました。

「ほっぺたが落ちそうなほどうまい」

ということを表現してるんですね。即座にそのことに気づいて今高揚しつつキーボードをたたいています。

気づけて単にうれしいです。ありがとうパイ助。

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□おわりに

「リトルグルメ」という概念を提唱せし主人公

さて最後はコンブたちの笑顔を見ながらお別れしましょう。

横一列に並んだ若人(わこうど)たちの表情を見ていると、いかに自分がけがれてしまったかが感じられます。過去にはこの画像の彼らのように明るい未来を信じていた。

「リトルグルメ」

という、まったく新しい概念を提起するほどの後光を携えていた。しかし今の自分にそんなポジティブなパワーが残っているかというとたぶん残っています。

だから大丈夫。

僕たちの未来は明るい。

ということを確認できたところで、この辺でお別れしましょう。

ていうかパイ助ストローをドカベンの誰かがくわえてる葉っぱみたいに器用に扱ってない??