ボンボン坂高校演劇部の最終巻の最終話を読む。※ネタバレ注意【感想&レビュー】

「ボンボン坂高校演劇部」 文庫版8巻(終)/作・高橋ゆたか/集英社。※このページの画像はすべて同書からの引用です

連載期間3年。

それを知ってびっくりしました。「もっと長くやってたイメージだけどなあ」と。

小学生の頃、コミックスもほぼ全巻集めていたこの漫画。最終回をリアルタイムで、ジャンプで読んだ当時はさみしさでいっぱいでした。

その「ボンボン坂高校演劇部」の、文庫版の最終巻を入手したので改めて読んでみたいと思います。

※以降、最終回に関する重要なネタバレがあるので注意してください

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感想&レビュー

最終巻の観月リサ

↑最終回手前で、突然美少年に出会ってしまい激ボレしてしまうリサちゃん。前髪の一本一本まで丁寧に描かれている

高橋先生といえば「かわいい女の子を描くのが大得意」という勝手なイメージがあるんですが、それは最終巻でも健在でした。さすがに26年たってしまうとやや絵柄に古さを感じてしまうかもですが、やっぱりかわいい。

当時ギャグマンガでここまでリアル路線で、美少女をうまく描けるひとって少なかったのですが、高橋先生は本当にうまいなあと感心します。

ちなみにリサちゃん(観月リサ)は「ボンボン坂~アンコール」でも再登場したのですが、その際はギャグキャラ的な脇役に終始していたのでデフォルメ画しか見れなかったのが個人的にはちょっと残念でした。


さて真琴ちゃんはというと…↓

最終巻の日比野真琴

↑お花見会での一コマ。ちなみにこれは、正太郎君の妄想などではなく現実に起こっていること

さすが正ヒロイン。互角の可愛さ…というか美しさ。「ボンボン坂」読者ならピンとくると思いますが、このほほの赤らみ…照れているわけではなく、真琴ちゃんが正気を失うあのアイテム(伏せる意味がない)を飲んでしまったからです。

ところで普段はブレザーを着ているからわかりませんが、やっぱりスタイルがいいんですね。現実世界にいたらめちゃくちゃモテるでしょうね…的なことが感じられるコマでした。

さて続いては、ちょっと意外なかわいい娘を紹介。↓

最終巻の三輪友紀…の隣の女の子

↑リサちゃん同様、最終回手前で恋人を見つける三輪友紀

この娘。

…かわいくないですか?

三輪ちゃん(くん)の隣の新キャラ…。レギュラーメンバーとして普通に登場してほしかったくらいかわいいです。何気に頭に装飾品をつけたキャラってボンボン坂ではめずらしかったので、その新鮮さも相まって良く見えたのか。

個人的には「サブキャラ」(脇役、モブ)にしておくのは持ったいないなーと思うくらい好きなビジュアルです。

ちなみにこのページ以降はほぼ登場しません。

さて、そんなわけで最後は最終話を眺めましょう。

最終回

最終回の扉絵。メインのメンバーがほぼ全員登場し、にぎやかな感じがして大好きです。いま改めて見るとほぼ全員(棒立ちじゃなく)様々なポージングがつけられてて、見る人を飽きさせないこだわりを感じます

最終話 最後の扉はカーテンコールの巻

と題された扉絵を当時見た時は「これでもう見納めなのか」と感じて寂しかったなあ…。今までに登場したキャラが扉絵にぎっしり出てきたのが唯一の救いだったのを思い出しました。あと正太郎君の足元にチョコンといる「ウンタマ」がかわいいですね。さすがに彼にはポージング(キメポーズ)の概念はなかったのか直立しています。

…さて。

本題です。

最終回に至るまでには3つのポイントがあります。

①「正太郎は部長さんのことが好き」という嘘が暴かれ、晴れて正太郎は真琴に告白する

②しかし、正太郎は真琴に振られてしまう

③さらに、「正太郎のことが好きな女の子たち」も全員(恋人ができたりして)突然正太郎君のもとから去る

…という状態からスタートします。

そして…。
とうとう部長さんすら(ハリウッドに行くために)去ってしまい、もぬけの殻になってしまった演劇部の部室で二人きりになった正太郎と真琴。

「みんな自分のもとから去ってしまい、情けないです」

的な言葉を冗談交じりに言った正太郎君に…。


あたしがいればいいじゃない

一瞬時が止まる…。

真琴に今の発言の意味を問う正太郎君に、真琴は照れてしまい「プイッ」と後ろを向き(でもまんざらでもない表情)、正太郎は追いかける…

というシーンで美しくエンド。

かと思いきや…「最後の最後」にもうひと展開あって正式に完結します。


「最後の最後」の「いつも通りのコメディシーン」も好きなんですが、やっぱりこの静かな演劇部に二人がいて、真琴が逆告白するシーンが一番好きですね。こう来るとは思わなかった。

ギャグ漫画っていうのを考えると、もしかしたら舞台の上とかド派手な場面で盛大に告白したほうが盛り上がるのかもしれませんが、「バックに小道具・大道具が若干見切れてる部室」での告白が僕的にはジーンときました。

それと少年漫画のラブコメで、最後(最終話)に女の子のほうが告白するのって珍しいんじゃないかな?(その直前に正太郎君はいちど真琴に告白してますが)。


※ちなみに「魔女っ娘ビビアン」の最終回はこの「ボンボン坂~」の最終回と対になっているかのような展開でした。

そして最後のコマは…

【追記・2023年8月16日】ーーー

最終回のラストページに関する画像とその画像に関する内容を削除しました。

「最終回の発表から20年以上がたっている」
「レビュー/感想/批評が目的である」

とはいえ、「最後の最後」のシーンに関しては引用を控えたほうがいいかもしれないとおもいそうしました。(著作権者の方から削除の申し出があったわけではなく自主的に、画像と感想/批評を削除しました)
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おわりに

リアルタイムで最終回を読んだあの頃。

「最後の最後」のシーン(ラストページの、とあるもうひと展開)を読み終えた僕は「もう彼ら(登場人物)と会うことはない」という喪失感に襲われました。

ジャンプ本誌のバージョンでは、

「ボンボン坂高校の時計台は鐘を鳴らし続ける。ボーン、ボーン、ボーン……。」

みたいな文章がラストページの余ったエリアに挿入されていて、『これでこのお話はおしまいです』という感じがして胸がギュッとなりました。

もう26年前(1995年)のことなのに意外と覚えてるものだなあと思います。あおり文も含めて素晴らしい最終回でした。

ということで、今日はこの辺で…。

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