「じゃじゃ馬グルーミンUP!」1巻を懐かしみながら読む。【感想/レビュー】
90年代。
ジャンプのラブコメは「密リターンズ」、そしてサンデーで一番好きなラブコメはこの「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」でした。当時兄がコミックスを集めていて、そのおかげこの漫画を知れました。
懐かしみつつ改めて読んでみようと思います。
感想&レビュー
連載1回目の扉絵
第1話(STEP1)の扉絵です。
懐かしいですねこのメンツ。基本的に全員好きでした。一番右に描かれてるのは主人公の駿平です。この2ページの中で唯一全身がきっちり描かれているので「主人公感」がばっちり出てますね。
以前比較記事(※)で駿平の変化について描きましたけど、改めて見るとやっぱり初期は顔がかなり違います。瞳の大きさが大きく描かれていて、「初期特有の駿平の顔」って感じがします。
(※)→「じゃじゃ馬グルーミンUP」のキャラ画像を初期・後期で並べて、比較してみる。
そして後々メインヒロインになっていくひびきは4姉妹の中でも結構でかく描かれてます。ほかの姉妹の画面上のサイズはそれに比してやや小さいサイズにもかかわらず、このメインヒロイン感。もしかしたらこの時点で、もう先々の展開を全て考えていたのかななんて思いを馳せたくなります。
さてさらにページをめくり続けていると…。
たづなと駿平のやりとり
出ました。
90年代のラブコメで2億回見たことがあるシーンです。
以前「魔女娘ViVian」の最終回をレビューした時にもこういうシーンが出てきました。
現代(2022年)の少年漫画の主人公もこのようなシーンに遭遇しているのでしょうか。当時はこういうシーンの宝庫でしたので逆に今こんなシーンがあったらレア感を感じてしまうかもしれません。
そいてこういうシーンに遭遇した時の駿平のリアクション…良いですね。「見てしまった」といった感じで気まずそうにしている。ギクシャクとした動作で部屋を去っていく感じなんか、いかにも昔のギャグ描写といった感じで懐かしく感じます。
ちなみに後日駿平も逆襲されてます。↓
というか厳密にいうと意図して逆襲したわけではありません。
たづなも駿平同様、不用意にドアを開けたがために目撃してしまった。そんなシーンです。
こういった出来事をきっかけにたづなと駿平は険悪になっていくのですが、徐々に打ち解けてたづなが駿平に好意を寄せていくのがこの漫画の面白いところですね。
(※1巻時点では仲が悪いままですが…)
ところでこのページにも懐かしさを感じる箇所があります。
洗濯機が回っている豪快な音のなか、時が止まったかのような演出。ここもなんとなく「ああ昔こういうのあったような…」と感じます。というかゆうき先生はこういう「間」の演出が上手ですね。常にあくせくスピーディに時が流れてる漫画も好きなんですが、こういう緩急のあるマンガも個人的に好きです。
さて続いては「90年代ラブコメあるある」を堪能しましょう。
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主人公による「ツゴウのいい妄想」
こういうのも懐かしいですね。
というかじゃじゃ馬は序盤、特にこういうシーンが多くて面白かったです。
主人公が(まさに僕ら男が勝手に思い描くような)勝手な理想像を思い描くというシーン。
桂正和先生の「I”s<アイズ>」でもこういうシーンがありましたね。
主人公の男の子(イチタカ)が好きな女の子(伊織)を自分の部屋に誘った時に「もしかして自分に積極的に迫ってくれるんじゃないか」みたいな妄想を爆発させてました。
もしかしたら全少年誌の全ラブコメで一回はこういうシーンがあるのかもしれない。
そんな妄想を広げたくなってしまいます。
ちなみに駿平が妄想の中で感じた「重み」の正体は実は四女のひづめだった、というオチを付けてギャグにするのもいかにもゆうきまさみ先生っぽくて面白い。
まじめなシーンだけじゃなくこういうコメディ要素があるのも「ゆうき先生作品」の面白いところです。
おわりに
さてそんなわけで「じゃじゃ馬グルーミンup」1巻のレビューもこれにておしまいです。
最後は「初期ひびき」を眺めましょう。
連載終盤のひびきとは違いややぶっきらぼうで少年ぽいですね。汚れを手で払ってる動作なんかは淡々としていて非常にクールな感じがします。
このひびきが最終的に駿平とあんな結末を迎えようとは…。このころから考えると、想像だにしていませんでした。当時この辺の話を読んでいた時は、「なんだかんだ言って駿平と(性別の枠を超えた)親友みたいになっていくパターンかもなあ」と想像していた気がします。
…という話もしたいところですが記事が長くなりそうなのでまた別の機会に。