小野敏洋(おのとしひろ)先生が描いた漫画家入門の本・「熱筆!まんが学園!!(上巻)」を読む。【感想/レビュー】
ーーーーーーーー
まさか漫画入門を描いてたなんて…。
子供の頃に読んだ「電撃ピカチュウ」・「バーコードファイター」。
その漫画の作者である小野敏洋先生が漫画の描き方本を描いていただなんて……
僕は最近そのことを知り、なんとしても手に入れたいと思いました。
古本屋を巡るも見つからず、ネット通販でゲット。
さっそくこの本を読みつつ、感想&レビューを行いたいと思います。
感想&レビュー
開幕
いきなりびっくり。
「バーコードファイター」に出てきたカケスみたいなキャラクターがいますね。
こういったキザなキャラクターを描くのが作者さんは好きなんでしょうか。
なんとなくビジュアル的にも似てるので初めて会った気がしません。
むしろお久しぶり感が漂って来ます。
名前は「伊集院健」。
お金持ちの坊ちゃんキャラは漢字3文字でかつ『院』という文字が入っている。
そんな僕の偏見と100%合致する素晴らしいネーミングセンスに感嘆しています。
一方、主人公はと言うと…。
主人公
ライバルキャラとは正反対。
御覧の通りキザさ0、高圧的態度度0の弟的キャラ。そんな主人公キャラの登場シーンが描かれています。
「一ツ橋熱筆」という名前もいかにも主人公感があっていいですね。この漫画は少年サンデーコミックススペシャルから出たものなんですけど、個人的にはコロコロコミックス感を感じます。
2コマ目の
「よろしくお願いしまーす!」
の元気の良さなんてまさに「俺は児童漫画の主人公だ度」マックスな感じがします。
さて続いてはあのキャラに似ているヒロインの登場です。
ヒロイン
主人公の幼なじみ「葉月友美」の登場です。
どことなくバーコードファイターの「桜ちゃん」に似てる気がします。
「えっ似てる?そこまで似てないと思うけど」
そうですか?確かにこのシーンだとそこまで似てない気もしますがアップになるとより似ています。
それがこちら。↓
このコマがもしバーコードファイターの中にさし挟まれていたら普通に
「あっ、桜ちゃんだ」
と思ってしまいそうな気がします。
というかもしかしたら目を閉じているから似ているように見えるだけかもしれませんね。
「似てるわぁー、これめちゃくちゃ似てるわぁ」と一人脳内で騒いでいましたが今考えると単純にそういう理由だったんだろうと思います。
ごめんなさい。大して似てなかったかもしれません。
謝罪します。
本当に申し訳ありません。
深く深く頭(こうべ)を垂れさせていただきます。
そしてその頭が地に付いたところで最後はこの漫画の中で一番タメになったページを見てお別れしたいと思います。
普通にためになる話
めちゃめちゃタメになることを教えてくれています。
意図的に左ページはコマを小さくして、そして(次の)右ページで大ゴマを使って読者のストレスを発散させる。
これって漫画評論家の夏目房之介先生の本「マンガはなぜ面白いのか?」で読んだ、圧縮開放の話を思い出します。
マンガはなぜ面白いのか?その表現と文法 (NHKライブラリー (66)) 中古価格 |
意図的に小さなコマを連続させてその後に解放させるというやり方は意外と漫画家さんの中ではポピュラーなんですね。
それと最後のコマの解説内で、
「(前略)見開き単位でリズムを作ることも必要なのだ!!」
とも書かれていますが、スマホで漫画を読む今の時代でも同じなんでしょうか。スマホでは「1ページ単位」でしか表示されないので、少し疑問に思いました(※ただし各種ビューワアプリの設定をいじれば見開きにできなくもない…がそのぶん表示が小さくなって読みにくい)。
いや、…待てよ。大きめのタブレットで読めばいいのか?むしろ電子書籍を読んでる人はそういう人のほうが多いのか?
スマホで読んでるのは俺だけか?と困惑しながらページをめくると、まったく関係のないこんなページもありました。
ゲスト出演?
このキャラクター達は明らかに…。
これは似ているとかいうレベルじゃありません。
ご本人登場です。
バトルドームのお姉さんと、虎堂烈その人じゃないですか。
この漫画は97年に発刊されたので、その少し前に執筆されていたバーコードバトラーのキャラクターが描かれるのは何ら不自然ではないんですが、しかし懐かしいキャラとの出会いには眼輪筋がほころびますね。
ということで「烈」よりも「お姉さん」のほうがでかめに書かれていることに良い意味での違和感を感じつつ、今日はおしまい。
熱筆!まんが学園!! 上巻?週刊少年サンデー公開まんが入門講座 (少年サンデーコミックススペシャル) 中古価格 |